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「普通は言語なんて話さないはずなのに、憑いた相手にしゃべらせている……。死気が正真正銘の“妖”であることを証明しているわ」
「ということは、これまでの死気はそうでもなかった、ってことか?」
「そうよ。喰代さんが浄化してくれた水品さん、覚えてる?」
「ああ」
忘れるわけがない。汐吉がウラガミであることを明確にさせたあの一件だ。
「本来は、彼女のように……うめき声をあげるだけなのよ。意味をもたない言葉っていうのかしら、そういうものをね。でも、だんだん変わってきてる……」
「つまり?」
「急に変わったってことは、少なからず原因があるはず。だから、さっきの提案はあながち間違ってないと思うの。しらみつぶしに探すよりは、効果的じゃないかしら」
「そう言われると、確かに」
ウラガミがまだ見つかっていない神社へ行ってみることは、的外れとまではいえないように思えてきた。
「どう、布瀬さん。分かる?」
「うーんと……、姉御の考えが合ってるってことは分かったっす」
「そ、そう?」
相変わらず姉御、と呼ばれることもあり、苦笑いしながらうなずく。
「布瀬、実はあんまり理解してないでしょ?」
「アオサさんは分かるんすか? 天才っすね!」
「違うよ、布瀬が――……理解しきれてないだけ」
さすがに、馬鹿とは言えないようで、遠回しにそういう。
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