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汐吉は、疲れたといわんばかりに椅子に座ってしまった。
「店長……珍しいですね、あんな大声」
「……すまない」
紅乃がどう言葉をかけようか迷っていると、亜子が話題をかえるかのように声をかけた。
「紅乃ちゃん、私も帰るからレジお願いしていい?」
「あ、うん! 今すぐ!」
そして、ふと気がつけば、イヤホンをとった侑斗が近くまで来ていた。汐吉と侑斗は顔を見合わせる。先に視線をそらしたのは、汐吉だった。
「店長さん、大丈夫?」
「……ああ。うるさくしてすまないね、二俣くん」
「紅茶、おかわりお願いします。四杯目」
「……そう」
珍しく注文するでもないのにイヤホンを取っているため、苦情をいわれるのかと思えば、やはり注文らしい。
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