85人が本棚に入れています
本棚に追加
「……俺の意見は無視か」
「おや、反対なのかい? 喰代は布瀬のほうがいいのかな」
「いや、俺は誰でもいいよ。ま、そういうことならよろしく、蒼早」
「ああ。足手まといにならないでよ」
「お前こそな」
蒼早の物言いはいつものことで、その言葉はまるで父親を彷彿とさせるものではあったものの、彼なりの仲間へのはっぱをかけるものだと思えば、さほど気にはならないものだった。
「ついでに、もう行く日決めとくか」
「いいね。僕はいつでも」
「午前中でも?」
「……できれば午後がいいな。週末」
「……だろうな。じゃ、土曜日はどうだ」
「いいよ。喰代も朝に弱くてよかった」
「今日みたいに起きようと思えば起きられるんだよ」
その応酬も、いつものこと。二人のそんな様子を、沙雪と快次は笑いそうになるのをこらえながら見ていた。
最初のコメントを投稿しよう!