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第十一章 三.
蒼早と話をつけた汐吉は、昼食をついでに三人としてから、快次と一緒に駅まで歩いていた。
「あー、お腹いっぱいっす!」
「久しぶりに昼から寿司食べたなぁ」
そう、昼食は、寿司。汐吉が知らぬ間に蒼早が注文をしていたらしい。とはいっても、沙雪も了承していたようだった。
「俺が来るのが決まってからあらかじめ頼んでおいた、ってことだったけど……、本当にあのお金、蒼早のなんだろうな」
「そうみたいっすよ。毎月、生活費として口座に三十万ふりこまれるらしいっす」
三十万か。
同じことを、この瞬間、汐吉と快次は同時に考えた。
「……そこだけ考えると、いいよなあ。政治家の息子ってさ」
「オレもうらやましいっす」
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