第十一章 三.

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「じゃあ俺もここから……」 「え? 地上の方が早いっすよ、たぶん」 「え?」 「え?」  しまった、と汐吉は気付く。亀戸天神社に行くときには、快次はいなかった。つまり、汐吉が方向音痴、もとい、一人では電車に乗るのも時間がかかることを知らない。 「まあ、別に電車で東京駅まで行ってからでもいいっすけど……」 「……なあ、布瀬さん」 「はい?」  説明が面倒くさくなってしまった汐吉は、素直に聞くことにした。 「東京駅ってどっち?」 ***
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