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「電話以外は、もっぱらネットサーフィンっすね。メールとかはしないんで」
「あー、月一回くらいは俺もパソコンさわるぞ」
「その頻度はありえねっす」
「見るもんもねえからな」
若葉や紅乃が持っているものよりは小さめだ。それでも大事にされているのだろう、傷は見えない。ケースにきちんとおさまっている。
「姉御は紙の地図持ってましたけど、携帯があればすぐ見れるっす。ほら」
「ほう、本当だな。便利になったもんだ」
「いつの人っすか……。まあ、路線図とかならスケジュール帳にもあるらしいっすよ。オレは持ってないけど」
「俺は持ってはいるが、ごちゃごちゃしていてちゃんと見たことはないなぁ」
「やっぱ携帯のが便利っすかね。なんなら、今から買いに行きます?」
「……いや、今は手持ちがない。あ、でもクレカがあるからいいか……」
「善は急げっすよ。その、さっきのコウノ? っていう人とも、携帯あるほうが連絡しやすいと思いますし」
沙雪や蒼早たちは、汐吉が携帯を持っていないのを知っているから店に電話をしてくる。毎回その手間をかけさせるのもどうかと思えてきた頃で、快次がこう言ってくれているのだし、と携帯を買うことにした汐吉は、目的地を快次が携帯を買ったという店に変更することにした。
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