第十一章 四.

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「こういう時、俺が警察関係者だって証明できれば、携帯ショップの店員にある程度のことを聞けるかもしれないんだがな……」  ヒナゲシ会ではなく、カンテラの名刺しかない汐吉の言うことを信用してくれるかどうかは分からない。 「真菅サンでしたっけ、その人に頼んでみるのはどうっすか?」 「いや、確証がないのにあいつを動かすわけには……」  そうこうしている間に、瑞樹はとっくに姿を消していた。 「……布瀬さんの知り合いの店員さん、いるんだよな?」 「それは店に入ってみないと分からないっす。でも、もしいたら、何か聞けるかも」 「それに賭けよう。とりあえず、携帯買いたいのも本当だし入るか」 「うっす」  そうして、汐吉と快次は、瑞樹を追いかけるのをやめて携帯ショップに入ることにした。
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