第十二章 二.

1/5
前へ
/345ページ
次へ

第十二章 二.

「……それで、約束の時間になったわけだが」 「こないわねぇ」  快次と入れ替わるように汐吉の近くにいるのは沙雪。現在、夕方の五時半。五時開店のため、それに合わせてくるという手はずになっていたが、瑞樹は一向に姿を見せない。 「やっぱり、あれはそういう意味か……」 「あれ?」  沙雪が首をかしげる。 「……あとで話そうと思っていたけど、いいか」  汐吉は昼間にあったことを話した。快次と一緒に帰る途中であった出来事だ。 「……つまり、明坂さんが怪しいってことね。その話、真菅さんには?」
/345ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加