第十二章 二.

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「帰ってからすぐにした。明坂さん周辺を調べて、怪しいということになったら監視カメラのほうも調べてくれるらしい。けど、そうすぐに結果が分かるわけもない。明日連絡があれば早い方だ」 「そう。気になるわねぇ」  蒼早と港区にある氷川神社、日枝神社に行くのは土曜日だ。今日は火曜日。  もし、最短で明日の水曜日に真菅から連絡が入った場合、水木金は瑞樹のことを捜査、とまではいかなくとも、調査することになる。 「……なんだか働きづめな気がしてきた」 「え? どうしたのよ」 「もし、明日、真菅から連絡があったとして……、三日間調査するんだろ?」 「おそらくはね」 「そして土曜日には蒼早とおでかけだ。……一日休むか」  なんとも自由である。マイペースでマイルールを簡単に作り適用してしまう。 「ちょっと、そう簡単に休みにしないほうがいいわよ。常連さんだっているし、和氣さんだっているんでしょう」 「そうだけど……ん?」 「な、何よ?」  言ってはいけないことを言ってしまったのかと、少し慌てる沙雪をよそに、汐吉は時計を見て、入り口のドア、そして店の電話を見た。
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