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第十三章 一.
「いらっしゃい」
「こんにちは、汐吉さん」
「やぁ、喰代」
お昼の三時。おやつ時の時間に、若葉と蒼早がカンテラへやってきた。時間通りなあたり、若葉がついているだけある。
「飲み物は?」
「僕はアイスティー。藤枝は?」
「えっと……同じものを」
「はいよ」
慣れた様子で椅子に座りながら注文する蒼早にならい、若葉も同じようにする。
「用意できたのがパンケーキだけでな、悪く思うなよ」
まるで悪役のような台詞をいいながら、パンケーキのそばに生クリームを渦まきの形に整えながら添える。ミントをその上に乗せると、メープルシロップを小さい器に入れてテーブルへ運んだ。
「食べながら若葉の話を聞こう」
「は、はい。蒼早さんには、もうお話したんですが……」
メープルシロップをパンケーキ全体にかける。
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