85人が本棚に入れています
本棚に追加
「だが、そうか、男性か……。松浪さんの話だと、ウラガミ様候補が死気に憑かれる可能性があるってことだし、もしかしたらその人、ウラガミ様かもな」
「だとしても、どうやって調べるのさ。東京に何人住んでると思ってんの?」
「……そうだよなぁ」
蒼早の言う通りだった。今回は港区で見かけたということになるが、違う区に住んでいる可能性もある。ピンポイントで探すのは難しい。
「だから、行くよ」
「え?」
汐吉がパンケーキを切る手を止める。蒼早はぱくりと口にいれて、彼のほうを見た。のみこむと、アイスティーが入ったグラスを口に近づけながら続ける。
「氷川神社に行くの。明日」
「明日、って……、あ、さっきの電話」
「そう。臨時休業にするんでしょ?」
行くのはもう決定事項だ、とでも言うようにアイスティーをぐいっと飲む。
最初のコメントを投稿しよう!