第十三章 二.

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『確定していないなら、富岡八幡宮にも行くべきだ。ウラガミ様ではないのだから』 「……いや、布瀬さんは……」  瑞樹のことをおかしいと言い始めたのは彼だ。どうなっている?  もしかして、瑞樹がおかしいのではなくて快次が?  それでも、瑞樹の会社は指示をしていないと言っていたのだし、不審なことに変わりはない。 『汐吉。敵を欺くならまず味方から、って知ってるだろ』 「……どういうことだよ。布瀬さんは違う、信用するなっていってんのか」  ヒナゲシ邸にも招いた、ヒーローになりたい彼を?  沙雪たちだって戦力として信用している。 『そこまでは言わない。でも、気を付けた方がいい』 「……布瀬さんはもう仲間だ。真菅はさっさと明坂さんについて調べろ。じゃあな」 『あ、おい、汐吉――』  ガシャン。  半ば力に任せて、受話器を置いた。
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