第十三章 二.

6/6
前へ
/345ページ
次へ
 仲間になった快次を警戒する理由などない。死気なんて憑いていないし、尊敬する人にはすぐ“姉御”などソレっぽい呼び方で呼ぶ彼のことだ。 「布瀬さんはおかしくない。絶対に」  真菅の言い分もわかる。確かに、正確にウラガミ様だと分かったわけではない。だから今回の捜査にも同行してもらうのだし。 「……クソ。言い損ねた」  どうせなら、聞けばよかった。和氣紅乃について、何か相談や連絡はあったかどうか。  無性に、彼女の元気な声で“店長!”といつものように呼んでほしくなってしまった。
/345ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加