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第十三章 三.
「喰代、機嫌悪い?」
「そう見えるなら、俺もまだまだだな」
翌日、蒼早は電車の中で、隣にいる不機嫌そうな――もとい、眠そうな汐吉を眺めていた。彼らが向かっているのは、氷川神社。
「誰と喧嘩したの?」
「……喧嘩ってほどじゃない。真菅と、ちょっと」
「ふぅん。ま、喧嘩するほど仲良しっていうのも、本当なのかもね」
「俺をからかうな」
「そのつもりなはいよ」
クス、と小さく笑みをこぼす。どこからどう見ても、年下にからかわれる大人の図だ。
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