第十三章 三.

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「氷川神社に行くのはいいが……。若葉が見たっていうやつ、今日もいるとは限らないだろ。どうやって探すつもりだ?」 「喰代。こういうときは、あっちからくるものだよ」 「……何を見た?」 「“三時間で解決します”」 「刑事ドラマか……」 「ミステリードラマだよ。主役は探偵だ」  沙雪がハマっているという昼に放送されるドラマを一緒に見たらしい。蒼早も好むとは思っていなかった汐吉は驚きと呆れとが入り混じった表情で苦笑いを浮かべた。 「もうすぐで着くみたい。次、六本木駅」 「ああ。さぁ、散歩といくか」  東京メトロの六本木駅。氷川神社の最寄りの駅だ。 ***
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