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話し方もなんとなく若い、というか……快次に近い。
どう答えたものか、と口をつぐむ汐吉に代わり、蒼早がさっと右手を出した。そこには彼の名刺がある。
「これ、僕の名刺。もらって」
「お? おお、どもどもー」
軽い調子で受け取った彼は、それを見てふむ、と読み上げる。
「警視庁妖対策課ヒナゲシ会所属、鹿占……なんて読むん?」
「あおさ」
「あおさ、ね、なるほど。ちょい待ち」
胸ポケットに手を入れたと思えば、ボールペンを取り出し、名刺にサラサラと何かを書いていく。
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