第十三章 四.

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 ガチャ、とドアを開けて入ると、そこには二俣侑斗と明坂瑞樹、そして和氣紅乃がいた。しかし、瑞樹と紅乃は暁のことを知らない。その逆もそうだった。 「あれ、お楽しみ中?」 「何言ってるの、違うよ」 「ならいいけど」  へらっ、と笑うと近くにあったソファ椅子にドカッと座った。 「はじめましてぇ~、明坂瑞樹っていいまぁす。よろしく」 「私は和氣紅乃! よろしくね~」 「ああ、俺は大吉暁。好きに呼んで」  そう言いながら携帯を取り出す。 「写真とっていい?」 「私たちの? どうして」 「名刺があるならくれ。なければ撮る。出会った人は記録するようにしてるから。今後のビジネスのために」  へへ、とはにかむように笑う暁に、瑞樹はなるほどねーと明るく笑って名刺を差し出した。
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