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「私の名刺です。どーぞ!」
「サンキュ。で、そっちの君は?」
「うーん、大学生だから持ってなくて……」
「じゃあ写真だ」
「いいですよ」
紅乃は暁の近くに行き、おとなしく彼の携帯に向かう。パシャリとシャッター音がし、暁は画面を見て満足げにうなずいた。
「うん、撮れた。かわいいね、えー、和氣ちゃん?」
「ありがとうございます、照れちゃうからあんまりそういうことは……」
「本当なのに。明坂……ちゃんもそう思うでしょ?」
「オオヨシさんに同意~~、本当かわいいのよ、この子」
と、パンパン、と両手を叩く音がする。侑斗が三人の気を引くようにしていたことだった。
「はいはい、みんな。おしゃべりはそこまで」
三人が侑斗の方を向かうと、彼はニコリと笑んだままで続ける。
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