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「明坂さんと和氣さんには話したけど、明日はウラガミ様候補を集める準備をする。大吉くんには洲崎天芽を富岡八幡宮まで連れてきてもらうよ」
「あー、巫女のバイトしてるっつう子ね……俺で大丈夫?」
「明坂さんは失敗したから、もう君しかいないんだよ」
「だから、あれが作戦のひとつなんて知らなかったんだってばぁ」
不満げに口を尖らせるが、侑斗は聞く耳を持たない。
「大吉くんは口が上手いから適当に言いくるめてくれればいい」
「どうして富岡八幡宮なの?」
「あそこのウラガミ様候補の一人が、今ヒナゲシ会にいるからさ。ウラガミ様のいない神社でやれば、手っ取り早い」
「……それって、危ないコト?」
「ううん。大吉くん、安心して。気が付いたときには全て終わってるから。とにかく、よろしく頼んだよ」
「今日俺をここに呼んだのはそれを言うためだけ?」
「電話じゃ言えないから。いつ盗聴されるか分からない」
「ふっ、二俣さんのように?」
「そういうこと。今でも気付いてないんだよ、ホント馬鹿だよね、あいつら。大吉くん、作戦はなんでもいいから。明日には連れてきて。いいね」
「うん、オーケー」
あまり深く考えず、ただ言われたことに素直にうなずく。侑斗はくるりと瑞樹、紅乃のほうを向いた。
「じゃ、明坂さんは松浪さん、和氣さんは喰代さんの気を引いて。どちらかがくれば芋づる式に全員来ると思うから」
「はーい」
「了解です」
従順な僕は、二つ返事で応じた。
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