第十四章 一.

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「……憎まれ役……か」  なぜ死気の性質が変わったのか。なぜ突然二俣侑斗は自分たちの前に、本当の姿を出そうとしているのか。あの写真の男は本当に二俣侑斗で関係しているのか。 「RPGでもあるんだけどさ、わざと悪口言ったり、相手に危害を加える人いるでしょ? そういう人にヘイトが集まると一致団結する人たちは、その憎まれ役がいなかったらバラバラなんだよ。まるで僕たちみたいじゃない?」  死気に対抗するために能力を持つ“ウラガミ様”。蒼早の言っていることは、さながら真実のように聞こえた。 「……もし、真菅のように思う人がヒナゲシ会に増えたらどうなると思う?」 「布瀬を外そうとする人が出てくるだろうね。……それが狙いだっていうの?」 「そうすれば、ヒナゲシ会にウラガミ様が入ることはない。死気が本能でウラガミ様を排除しようとしているなら、メンバーをそろえるわけにはいかないだろ。なら……」 「少なくとも僕と沙雪は喰代と同じ考えだ。問題は藤枝」
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