第十四章 一.

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「いや、若葉は松浪さんを……俺よりきっと彼女を信頼している。大学まで行った話、聞いたから」 「そっか。あの時は失敗したらしいけどね」 「今じゃ仲間だ。だから、松浪さんが信じると言えば若葉だってそうする。俺たちは揺らぎようがない」  例え、“憎まれ役”に快次が選ばれたとしても、他の四人は変わらない。これまでと同じように彼を信じ、仲間として横に並ばせるだけだ。  だが、蒼早はううん、と考え込む。 「そのことを、死気が分かっているかは別にして……、僕たちを中から壊せないとわかると、外から壊そうとするんじゃないかな」 「外からって、どうやって……」 「こじ開けるのに必要なのは、穴だよ」 「……誰かがいなくなるっていいたいのか?」  考えたくもない仮説だった。
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