第十四章 二.

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『居場所を調べてほしい人がいて』 「居場所? ……あのな。今はお前に頼まれた明坂さんのことを調べているんだ。まだ頼むっていうつもりなのか」 『そうだよ』  即答だったために、少しだけ、ム、と眉間にしわをよせる。 「悪いが、暇じゃないんだ。事件は他にもある」 『大事なことなんだ。うまくいけば、二件同時に解決できる。俺を信じて話を聞いてくれないか?』 「汐吉」 『仲間だろ』  その言葉に、真菅はきょとん、としたように口を開くのをやめた。汐吉が、これほど仲間というものにこだわったことはなかった。 『俺は仲間を信じてる。真菅は仲間であり友人であり保護者だ。俺の』  彼からすれば、快次も仲間だ。そんな汐吉に、快次を疑えと言ったのは真菅自身だ。
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