第十四章 二.

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「話の腰を折って悪かった、誰の居場所を知りたいって?」 『二俣侑斗くんだ。俺の店の常連の』 「ああ……常連ってのは知ってるが、理由は?」  真菅にとっては地味で目立たない青年だ。 『ほら、明坂さんが病院で二俣くんから仕事をもらったとかなんとか話してたろ』 「ああ。来なかったのだろう」 『そう。おかしいと思わないか?』 「急用でもできたのかもしれないだろう」 『明坂さんがおかしいことはよく分かってるはずだ。あの人は、二俣くんから頼まれたと言っていた。ということは、仕事だといって王子神社に向かわせたのは彼だということになる』  紅乃の友人である亜子と天芽が出会ったのは偶然ではなかったのかもしれない、と言いたそうな口ぶりに、真菅の眉間のしわが深くなる。 ―どういうことだ?
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