85人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
第十四章 三.
「蒼早、携帯ありがとう」
「うん。真菅、なんだって?」
「二俣、の居場所を調べてくれるらしい。俺たちは金崎さんに会いに行こう」
まだ迷ったように“二俣くん”ではなく“二俣”という汐吉に、蒼早は無理しなくていいのに、と思いつつ、そうやって区別をつけることで気持ちを整理しているのだろうと考えることにした。
「紅乃が連絡取れないというのは、松浪さんから聞いたか?」
「うん。それに、今喰代が電話で言ってた」
「そうだったな」
「沙雪は心配してたよ」
目の前で話しているのを彼は見ていたのだ、聞いていないわけがなかった。
最初のコメントを投稿しよう!