第十四章 三.

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「……教務課かなんかに行って、金崎さんのことを聞いてみよう」 「は?」 「分からないから」  仕方ないだろ、と顔で語りながら、構内案内図を確認しなおして、教務課がある校舎へ向かうことにする。その途中、前方から見覚えある人が歩いてきた。 「あれ、店長さん」 「あ、金崎さん」  幸運なことに、亜子自身だった。あの日とは変わらないように見えるが、なんだか晴れ晴れとしているようにも見える。 「どうしたんですか?」 「紅乃を探しに来たんだ。どこにいるか知らないか?」 「え?」  紅乃の居場所を聞かれた彼女は、きょとんとする。 「紅乃ちゃんから聞いてないんですか?」
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