第十四章 三.

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「……さっきのゼミ合宿の話で、紅乃ちゃんに何かが起きてるのかもって、なんとなく……思ったので。今日、図書館に行ってて良かった。じゃなかったら、店長さんに会う前に帰ってたから」  心配げに目を伏せながらつぶやく。 「紅乃が探してくれって言ってるのかも」 「そうだと信じたいです。店長さん。紅乃ちゃんのこと、探してください。お願いします」 「……もちろんだ」  意思の強い目でうなずく。彼女がようやく頬を緩めるのを見てから、汐吉と蒼早は富岡八幡宮へと向かうために、大学を後にした。
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