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プツッ、と通話が切れる音がする。蒼早に早く返せと急かされたのだろう。沙雪は携帯を手にしたまま、隣にいる若葉を見やった。
「藤枝さん、急にごめんね」
「平気です。一コマぐらい休んでも、取り戻せるんで」
「でも、体調が悪いとき休んでたんじゃない? 出席足りる?」
「大丈夫ですって。先生にはぼくからちゃんと説明しますから」
しておいた、ではなく、する。つまり、明日以降の自分ががんばる、ということだ。
まぁいいか、と沙雪は小さく笑みをこぼした。
「喰代さんからの話はさっきの通り」
「はい、ちゃんと聞いてました。富岡八幡宮に和氣さんっていう子がいないか探すんですよね」
「二俣さんも一緒だと思うのよ、まとめてやっちゃおう」
「はい。……でも、どうして二人は一緒なんでしょう?」
「うーん……、真菅さんの推理通りなら、喰代さんが目当てだからでしょうね。和氣さんは弱点だと思うのよ。彼女のこと、大事にしてるみたいだし」
「真菅さんは弱点じゃないってことですか?」
「きっとね。それに真菅さんと和氣さんだったら、私でも和氣さんを選ぶわ。真菅さんよりは、強くなさそうだから」
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