第十四章 四.

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 苦笑いを浮かべて話したところで、はて、と違和感を覚える。 「だとしても、喰代さんが目当てな理由は何かしら……」 「強いからじゃないですか?」 「そりゃあ、あの人は強いわよ。出会った最初なんて、私が失礼なこと言っちゃったからすごく怒られて――」  言いながら思い出す。というよりは、再認識した。汐吉の能力は、“浄化”だ。 「――そうよ、喰代さんは“浄化”の持ち主」 「え? そうですね」 「死気にとって、他の能力はどうとでもなるわ。天敵が“浄化”なのよ。浄化されれば死気は消える」 「なら、前に沙雪さんが言ってた死気の性質の変化、って」 「きっとそう。認識したのよ、喰代さんを敵だって。となると、おかしいのがもうひとつ」 「もうひとつ?」  ええ、と真剣な面持ちでうなずく。
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