第十五章 一.

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「さて、ここまで来たわけだから……、悪あがきしてみる?」 「え?」 「私、こうやってちゃんと来たことないのよね」 「それは俺も」 「僕も」 「ぼくも……」  成り行きを見守るように黙っていた若葉までもが、他の三人と同じように同調する。 「有名だから行った気になってたけど、こんなに、広いなんて知らなかったくらいよ」  一歩二歩後ずさりながら、鳥居を見上げ、境内を見渡すように首を動かす。 「喰代さんと蒼早くんはもう探したのよね?」 「手分けして、ざっと」
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