第十五章 二.

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「遅い早いは、関係ないよ」 「だが」 「でも、だが、しかし。全部禁止」 「蒼早……」 「否定した後に続くのは弱音。今はそれを聞いてる場合じゃないから」  相変わらずの冷めた態度だが、ネガティブになるなと遠回しに言っているのを理解して、うん、とうなずく。  そこに、蒼早の携帯電話が鳴る。 「あ、電話。……はい、喰代」 「え、なんで」 「真菅だから」  ほら、と画面を見せられる。確かに、“真菅”と表示されていた。紅乃のことで何か分かったのかもしれない、と電話に出る。
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