第十五章 二.

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「はい、もしもし。喰代だ」 『ああ、汐吉か。真菅だが』 「分かってる、名前出てるから」 『それでか。和氣さんのことで、少し進展があった。彼女の携帯電話が最後に確認されたのは門前仲町だ』 「えっ……」  富岡八幡宮は門前仲町に近い。というか、最寄り駅もそうだ。 「……どういう、ことだよ」  蒼早は聞き耳を立てるように背伸びをするが、なかなか音声が聞こえないからか諦め、周囲を見渡して探し続けることにした。 『電話は電源が切られている。それが、月曜日の夜だ』 「じゃあ、やっぱり」 『巻き込まれているな、確実に。だが、二俣がどれほど賢いかは分からないが、こうなることは想定済みのはずだ』 「……警察が、紅乃の携帯を探すこと?」 『そう。だから、“門前仲町以外”の場所にいると考えた方がいい。今どこにいる?』
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