85人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
「はい、もしもし。喰代だ」
『ああ、汐吉か。真菅だが』
「分かってる、名前出てるから」
『それでか。和氣さんのことで、少し進展があった。彼女の携帯電話が最後に確認されたのは門前仲町だ』
「えっ……」
富岡八幡宮は門前仲町に近い。というか、最寄り駅もそうだ。
「……どういう、ことだよ」
蒼早は聞き耳を立てるように背伸びをするが、なかなか音声が聞こえないからか諦め、周囲を見渡して探し続けることにした。
『電話は電源が切られている。それが、月曜日の夜だ』
「じゃあ、やっぱり」
『巻き込まれているな、確実に。だが、二俣がどれほど賢いかは分からないが、こうなることは想定済みのはずだ』
「……警察が、紅乃の携帯を探すこと?」
『そう。だから、“門前仲町以外”の場所にいると考えた方がいい。今どこにいる?』
最初のコメントを投稿しよう!