第十五章 二.

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「富岡八幡宮。松浪さんと若葉も来てくれて、蒼早を入れた四人で紅乃と二俣、明坂さんを探してる」 『明坂さん? どうしてまた』 「松浪さんが、盗聴器を仕掛けられてたらしくて。壊したって言ってた。俺が預かってる」 『……まずいな』 「え」  真菅が懸念していることがいまいち分からない汐吉は首を傾げる。 『盗聴器を壊したということは、それが引き際だと二俣が判断する可能性がある』 「……そんなこと、したら、紅乃は」 『今回の事件に関わっている全員を殺そうとするかもしれない。目撃者さえいなければ事態は大きくならないからな』 「……させない、そんなこと」 『汐吉』 「明坂さんの携帯は? 紅乃の携帯を調べたならそっちだって分かるだろ、言えよ! 今!」 「喰代、どうしたの」 「蒼早は黙ってろ」 「……うん」
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