第十五章 二.

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 いつもの汐吉ではないと感じた蒼早は素直にうなずいた。これ以上刺激してはいけない、と直感で察している。 『――実は、明坂さんではなくて、二俣の携帯を調べた』 「……え?」 『居場所を知りたいと言ったのは汐吉だろう。それもあって。そしたら、驚いた。三人の携帯が同じ場所にある』 「どこだ」 『富岡八幡宮と門前仲町駅の中間あたりにあるビルだ。地図をその携帯に送る』 「分かった」 『警察官を向かわせる。私も急いで向かう、もし乗り込む気なら気をつけろよ』 「……ああ。大丈夫」 『もしかしたら、凶器を持ってるかもしれない』  あの写真に写っていたのが、二俣侑斗、彼ならば。 「俺は“浄化”の能力を持つウラガミだ。ヒナゲシ会の仲間もいる。だから、信じてくれ。俺も信じるから。今まで以上に、真菅のこと」 『……後でな』 「ああ」
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