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「さて、落ち着いたようだし、彼らの話をしようか」
「……彼ら?」
「ああ、ヒナゲシ会の……、ん? 松浪さんから聞いていないか?」
「何をだ」
「メンバーは、松浪さんともう一人、鹿占蒼早という少年がいるそうだ」
「聞いていない」
――『もう一人は、ヒナゲシ会に入っていただけるならご紹介しますよ』
そういえば、ヒナゲシ会に入るならもう一人紹介するとかいっていたな、と思い出す。
というよりも、“鹿占”という苗字に聞き覚えがあった。確か、議員にそんな名前の人がいた気がする。テレビで一度は見かけたはずだ。
「私のところへ来たのは、その二人だった」
「……教えてくれよ」
沙雪ではなく真菅から二人目のことを聞かされることになると思っていなかった汐吉は、内心では聞いてもいいのか心配しつつ促した。
「ああ。あれは確か……、一ヶ月……いやもう少し早いか。三週間ほど前の話だ」
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