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汐吉が取り出した名刺を、沙雪が受け取る。
「へー、クリエイティブなお仕事ね。気が合いそう。ウラガミ様候補?」
「なんとも。ただ、若葉の言ってた男だと思うから……」
「……ということは、死気が?」
沙雪が名刺を返すと、汐吉はうなずきながらそれをポケットに戻した。
「俺たちには憑いてるように見えなかった」
「ぼくの勘違いだったのかも。すみません、二人に行ってもらったのに……」
「若葉、そう言うな。死気はいつも見えるわけじゃない」
重症なら四六時中見えるようにもなるが、軽症ならば見える時と見えない時がある。
「話はこれくらいにして、行ってみよう。……劇場は何階だって?」
「二階。三階はレンタルスタジオ、四階は……なにもないみたいね」
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