第十五章 三.

4/7

85人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
「上からおりるのと、下からのぼるのと、どっちにしようか」 「上から。いざとなったら逃げられる」 「そりゃいい、賛成」  蒼早の即答に思わず汐吉も笑う。四人は、ドアを開けて中へと入っていった。 「……紅乃―、いるかー?」 「和氣さーん」  紅乃の名前を呼びながら、四階を手分けして回る。エレベーターはあったものの、長く放置されていると壊れるかもしれない、ということで四人はせっせと階段をのぼってきていた。  広い部屋が二つあるだけの四階は、すぐに見終わった。誰も、何もない。 「ダメね、次三階」 「了解」
/345ページ

最初のコメントを投稿しよう!

85人が本棚に入れています
本棚に追加