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「上からおりるのと、下からのぼるのと、どっちにしようか」
「上から。いざとなったら逃げられる」
「そりゃいい、賛成」
蒼早の即答に思わず汐吉も笑う。四人は、ドアを開けて中へと入っていった。
「……紅乃―、いるかー?」
「和氣さーん」
紅乃の名前を呼びながら、四階を手分けして回る。エレベーターはあったものの、長く放置されていると壊れるかもしれない、ということで四人はせっせと階段をのぼってきていた。
広い部屋が二つあるだけの四階は、すぐに見終わった。誰も、何もない。
「ダメね、次三階」
「了解」
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