第十五章 四.

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「……誰かいる」 「動いてないから物かもしれないが」 「だとしても、どうする?」  鍵を開けて、入るか。入らないか。 「……入る。でも、もし、危険な相手だったら……」 「……こういう時、布瀬がいてくれたらなって思うよ」 「元警官だから?」 「“戦闘”のウラガミでもあるから」 「なるほどな」  汐吉の手が、ドライバーを取ろうとするが迷っているように空中で止まる。それを見た蒼早は、ふ、と笑うような息をもらした。 「大丈夫、こっちは四人だ。なんとかできる。ね、沙雪。藤枝」 「え?」 「誰かいるの?」 「かもしれない」 「心の準備はしておきます」 「私も」 「ということだから。鍵、開けて」 「……分かったよ」
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