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「……誰かいる」
「動いてないから物かもしれないが」
「だとしても、どうする?」
鍵を開けて、入るか。入らないか。
「……入る。でも、もし、危険な相手だったら……」
「……こういう時、布瀬がいてくれたらなって思うよ」
「元警官だから?」
「“戦闘”のウラガミでもあるから」
「なるほどな」
汐吉の手が、ドライバーを取ろうとするが迷っているように空中で止まる。それを見た蒼早は、ふ、と笑うような息をもらした。
「大丈夫、こっちは四人だ。なんとかできる。ね、沙雪。藤枝」
「え?」
「誰かいるの?」
「かもしれない」
「心の準備はしておきます」
「私も」
「ということだから。鍵、開けて」
「……分かったよ」
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