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「紅乃」
「はいぃ、店長」
「探してたんだぞ。俺たち、みんな。金崎さんも」
「亜子ちゃんも? 悪いことしちゃったなぁ」
す、と腕をのばす。そのまま彼女の頭に手を置いた。
「……よかった、生きてて」
「ええ? 私は死なないですよぉ」
えへ、と笑う紅乃の笑顔は、見慣れたものであり懐かしさすらあった。だが、汐吉はそのまま、彼女の肩に手を降ろすと、沙雪から奪うようにして抱きしめた。
「えっ!? やだちょっと!」
「沙雪、黙って」
興奮しそうになる沙雪を冷静にたしなめる蒼早の横で、汐吉は縛られたままの紅乃に小さな声で囁く。
「……死気、いるんだろ」
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