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「すまない、紅乃」
「いえいえ。流しの片付けもやっておきますね」
「頼む。……ああ、真菅、いいぞ」
『ちゃんと聞けよ』
そうして、汐吉が真菅から聞いたのは、このようなものだった。
――藤枝若葉
フジエダワカバ 二十一歳 男性
身長一七〇センチ 細身 いつも白いシャツを着用
現在○○大学○○学部三年生 アルバイト無し
独身 婚姻歴無し
毎週水曜日、金曜日に亀戸天神社で目撃されている 夕方や夜
車無し バイク無し 自転車の防犯登録無し 公共交通機関で移動している可能性有
いつもギターを背負っている
「ふじえだわかば、ね。……この人、本当に亀戸天神社のウラガミ様なのかぁ……?」
メモをし終えた汐吉がぼやく。電話の向こうで、真菅が苦笑いをしたのが空気で伝わってきた。
『本人に会って確かめればいいだろう。だから調べてほしかったんじゃないのか?』
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