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それでも美空は笑顔で承諾し、共に近くの自販機を探す。
「あれ?あさみん、ブレスレット着けてないの?」
「げっ!?ヤベェ慌てて出てきたから忘れちまってた…!ま、まぁ魔術使わなきゃなんにも問題無いしいいけど」
「あさみん喉乾いた、魔術で水飲ませてよ」
「テメェは俺を独房にブチ込みたいのか?」
「冗談だよもう。でも魔術師って色々と不便じゃない?魔術が使えるのに自由に使えないんだから」
「そうでもねえぞ?正当な理由があるんなら使ってもいいし、魔術協会にちゃんと申請すれば使えるんだから。そもそもの話、日常で魔術使うことなんて機会はほとんど無いしな。何も困ることも無い」
「そうなんだ。昔と違ってだいぶ厳しく取り締まられてるもんね。あーあ、私も魔術師だったら魔術をボンボン使えたのにな~」
ぼやく美空に朝道はため息をつく。
美空は魔術師ではない世間で言うところの一般人だ。でも朝道が魔術師であるのは知っていた。ブレスレットで判断したからではない、二人の『刺激的な出会い』をきっかけに知ることになったんだ。
「あ、自販機あったよあさみん」
「何飲む?」
「上の段全部」
「よしわかった、今買うから今この場ですぐ飲め」
「ごめんってば、お腹チャポチャポになっちゃうよ」
「チャポチャポって……いちいち表現が可愛いなチクショウ」
「え?何か言った?」
「んーにゃ何も」
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