Story‐3 闇に狙われた魔の力たち

4/29
104人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
それでも美空は笑顔で承諾し、共に近くの自販機を探す。 「あれ?あさみん、ブレスレット着けてないの?」 「げっ!?ヤベェ慌てて出てきたから忘れちまってた…!ま、まぁ魔術使わなきゃなんにも問題無いしいいけど」 「あさみん喉乾いた、魔術で水飲ませてよ」 「テメェは俺を独房にブチ込みたいのか?」 「冗談だよもう。でも魔術師って色々と不便じゃない?魔術が使えるのに自由に使えないんだから」 「そうでもねえぞ?正当な理由があるんなら使ってもいいし、魔術協会にちゃんと申請すれば使えるんだから。そもそもの話、日常で魔術使うことなんて機会はほとんど無いしな。何も困ることも無い」 「そうなんだ。昔と違ってだいぶ厳しく取り締まられてるもんね。あーあ、私も魔術師だったら魔術をボンボン使えたのにな~」 ぼやく美空に朝道はため息をつく。 美空は魔術師ではない世間で言うところの一般人だ。でも朝道が魔術師であるのは知っていた。ブレスレットで判断したからではない、二人の『刺激的な出会い』をきっかけに知ることになったんだ。 「あ、自販機あったよあさみん」 「何飲む?」 「上の段全部」 「よしわかった、今買うから今この場ですぐ飲め」 「ごめんってば、お腹チャポチャポになっちゃうよ」 「チャポチャポって……いちいち表現が可愛いなチクショウ」 「え?何か言った?」 「んーにゃ何も」
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!