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「つまり」とラーミスは続けた。その先の言葉は聞かずとも夜道には大体予想が出来た。
「───『闇』の魔力を体内に、それはもう大量に取り込んだ者と異質な力を持つ悪魔。彼らの一番の狙いは召喚師であり悪魔でもあるあなたなんですよ、鈴重夜道さん」
二〇年前の戦争で夜道は『悪魔の神』の力を使った。体内にも取り込んでいた。まだ残っているとは思えないが、それでも人間には無い力を今の夜道は持っている。
悪魔になる際に得た悪魔の力。
魔術師とは違う別種の力は『黒魔術』の成長にどんな効力を持つかは不明だが、『黒魔術』が『悪魔の神』の力に似た異質な魔力を養分として生み出されるのならば夜道を狙うのは辻褄が合う。
おまけに夜道は魔術師の中でも珍しい召喚師だ。呼び出すのもまた悪魔、夜道だけでなく他にも養分になる存在がいると言うならこれほど格好の餌は無い。
「…………悪魔の力……クソッ、そうなるとまずい!」
「何がです?」
「さっきいた俺の娘、そして息子には悪魔になった俺の血が流れてる。もしバレたらあいつらも狙われるッ…!」
「…二人、お子さんがいるんですか?」
「俺に子供がいると知られれば確実に狙うはずだ、奏を一人で帰したのは失敗だったッ…!!」
「なるほど、あなた以外に二人もいるのですか」
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