Story‐3 闇に狙われた魔の力たち

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「───アハハ、それで逃げて来たんだね」 「いや~久々に母ちゃんがキレたからなぁ。あのまま残ってたら何言われるかわかったもんじゃねえ」 バイトという嘘をついて逃亡した朝道はげんなりしながら歩き、その隣にいる黒髪の少女は朝道を見てクスクス笑う。 彼女は朝道の学校のクラスメイト、天倉 美空(あまくらみそら)。偶然汗だくで走っていた朝道と遭遇し、今は朝道の宛も無い時間潰しの散歩に付き合っていた。 「あさみんの家族って仲良さそうだよね」 「なんでそう思うんだ?」 「だって仲良くなかったら逃げたりしないでしょ?」 「……………、ん?逆じゃないか?」 「家族の仲が悪かったらきっと怒られることに反発してると思うの。でもあさみんは怒られるのが怖いから逃げてきたんでしょ?普段からよく怒られてるならしっかりコミュニケーション取れてるってことだし」 「お前の解釈はいつも独特だな。でもそうだな、別に仲は悪くないか。母ちゃんはしっかりしてるし普段は優しいし、だからこそ怒ると怖いんだけど…」 「あさみんでも怖いって感じるんだ、どんなお母さんかすごく知りたいな。今度紹介してよ」 「なんでや。紹介なんてしたら俺らが付き合ってるみたいに思われるだろ」 「え……私たち、付き合ってなかったの…?」 「勝手にでっち上げるんじゃねー」 「アハハー」
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