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「毎度毎度学習しないなぁキミたちは…」
ため息一つ。
そこから少年の口元に浮かんだのは───凶悪の笑み。
「魔術使えねえクセに粋がってんじゃねえぞォッッ!!!」
「こっちのセリフだ」
金属製の武器が四方から少年を叩いた。固い音を連続で響かせ、確かな手応えに少年たちはニヤリと笑う。
「───こっちが魔術使えないからって粋がるなよ」
その身に受けて。頭も顔も、手足や胴体を打ち付けられてもなお少年の凶悪さが剥き出しになった笑みは消えていなかった。
消えたのは、その言葉を聞いた周りの哀れな子供たちの笑み。
「こちとらただの魔術師じゃねえんだ。何度も教えてやってんだから覚えろよミジンコどもがァ!!」
一方的な暴力の幕開けを告げる豪快な一撃によって七人ほどの子供たちが同時に薙ぎ払われた。
どれだけ叫び散らそうが、武器を振りかざそうが、そんな物で彼は止められない。魔力を検知するブレスレットにはなんの反応もないまま少年の拳が唸りをあげる。
───そして、ものの数秒で哀れな子供たちは山になった。
「ほーれ、あとはお前だけだぞ。綺麗に天辺に飾ってやっからかかって来いよ」
「ぐッ…!この、化物が…!」
「今さらすぎる言葉ですなぁ。つか、わかってて突っかかってきてんだろ?さあさあどうした、自分がやられる覚悟をし忘れたか?残念ながら待ってやらねえぞ~」
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