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金髪の少年が歩み寄る。悪魔のような笑みをぶら下げて。
リーダー格の少年は堪らず一歩後退りした───その時だった。
「ちょっと、何やってんの?」
見張りをつけて誰も立ち入らないようにしていたはずの小さな公園に静かな声が響き渡った。
声の主は制服姿の女の子だ。黒髪を後ろで括った目元がキリッとした少女を見て、金髪の少年は情けない顔で悲鳴をあげた。
「また問題起こしてるじゃん。何度言ったらわかるの?学習する知能が無いの?」
「いっ、いや待て!こいつらが一方的に絡んで来たんだよ!僕ちゃんは巻き込まれただけなのですよ!」
「キモい。言い訳もダサいし、お母さんに報告するから」
「やめてください殺されちゃうぅ!!」
両手を合わせてその場で膝をつく金髪の少年を汚物でも見るような冷たい目で見つめる少女。
そんな彼女に、リーダー格の男は駆け出した。
「知り合いなら好都合だ!テメェ利用させてもらうぜ!!」
「キモいんだけど」
「黙れブスがァッ!!」
ゴギィイッッ!!!と少女の頭に鉄パイプが直撃した。追い詰められていたせいか一切の加減をされずに振るわれた一撃を見て、金髪の少年の顔からサァ…と血の気が引いた。
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