眠い(ねむい)

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---眠い(ねむい)---ec10c966-a563-4d48-b65a-62e0f468578f 制作:kaze to kumo club 著作:ルシファー16 ---眠い(ねむい)--- 「眠いんだよ、おれ……」 「なに言ってるのよ、あなた。会社に遅れるわよ」  法子はだらしなく布団にくるまる主人、雅春を無理矢理……起こそうとしていた。もう、7時40分を回ろうとしている。 「あなた、早く起きてくださいよ! 恵美を駅まで送ってくれるんでしょ?」 「ウウ~ン、頼むよ、法子。今日は休むよ、会社……」  そのまま、たかいびきをかき、眠り込んでしまった。 「もうー遅くまで……飲むからよ……」  法子はやもなく、恵美の部屋に向った。  寝室を出て……台所を回り……2階への階段までくると、法子はおもむろに叫んだ。 「恵美、お父さん、会社休むって…。 悪いけど、今朝はバスでいってくれる?」  返答はなかった。  朝日が窓べりからもれて、みがきあげた階段を照らしている。 「まさか、あの子まで……?」  光る階段をバタバタと登ると、正面に恵美の部屋があった。 「恵美、まだ起きてないの? もう8時になるわよ! 遅刻しちゃうわよ!」  だが、なにも……返答がない。  法子は心配になり、ドワを開けようとした。が……カギがかかっている。 いつもは……かけたりする子じゃないのに……? 「恵美!恵美! いるなら返事なさい! 恵美……!」  その時だった。  妙な音が聞こえてくる。  カサカサカサカサ……。  ゴキブリでもはうかのような音……。でも、なにか鈍い感じがする。 「なに?この音?」  その音は上から来ている。  そう……、天井でなにかが這い回っているのだ。  はじめて、法子は……恐怖を感じていた。 1話目、終了です。 次回をお楽しみに……!!
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