眠い(ねむい)

2/3
前へ
/3ページ
次へ
---眠い(ねむい)---7908c491-2f72-4bd9-9a3b-d5949864ec23 制作:kaze to kumo club 著作:ルシファー16 ---眠い(ねむい)--- 第2話 「あなた! 起きてよ! あなた!」  家の異変に気づいた法子は、当然の事のように夫のもとへ向っていた。  しかし、夫は……いくら……ゆすっても起きない。 「あなた!のんきに寝ている場合じゃー……」  言いかけた法子の目が見開いた。  夫がひからびている。ミイラのように……。 「ぎゃあーああああぁー!!」  法子は……その場を飛び退いた。  足は震え、ひたいに冷や汗が……ダラダラと流れはじめる。  身体中がガタガタと震え、きゅうに手足が重くなった。 「な、なんなの……? これは……?」  突然、法子に睡魔が襲った。 眠い! ひどく眠いのだ。 その上、からだが動かない。 これは……おかしい。 なにかが……いる。  法子は、ほんのうてきに、そう悟った。 「た、助けて……、誰か……」  カサカサカサ……。また、あの奇妙な音がする。  重いまぶたをなんとかこらえながら、法子はその音の方を見た。  それは明らかに……夫の死体から出て来た。  彼の、無数の毛穴から……?? そうだ!  屍(しかばね)にある……すべての細胞から……にじみ出てくる……異様な黄色の糸。  その糸が、空中で……こすれるように絡み付き、なにかの形になろうとしている。 「…なに……??」  法子は……どんどん眠くなり、黄色の糸たちがゆっくりと……自分の方に来るのを……感じていた。 第2話、終了です。 次回をお楽しみに……!!
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加