120 残念公募とつれづれに考えていることなど……改稿ザムライとともに

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 口ではそういうものの、やはり口惜しい。時代考証やほとんど現存していない養老律令について調べた苦心が水泡に帰したのだから。 「それにファンタジー『血の祈り』ですが、あれは書いているときは集中力が高まっていたものの、やはり世界観に不安定要素があったように思います。なにより、ノベル大賞はどちらかというと文芸ファンタジー色の強い作品が選出される傾向のようですから」 「ふふふふふふふふ、自己分析でおのれを慰めておるとは哀れなヤツよ。して、凡愚なるその2作品をどうするつもりだ」 「それで悩んでいるわけです」  渡瀬どんは腕組みする。 「ノベル大賞で1次通過の『風凛抄 島原の乱異聞(旧題 凛の風)』と違って、ファンタジー長編の『血の祈り』についてはAmazonセルフ出版するほどのものかな? と」 「ほほう、なにゆえじゃ」 「はあ、Amazonセルフ出版して、電子書籍という形で保存したい……というほどの熱意がこの作品に対して失せているのです。イメージクリエイターで挿絵や表紙は作ってあるものの、これを書籍化するほどのものかな? と」
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