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「悩むがよい、悩むがよい。どのような駄作でも、しばらく放置しておれば、まあ１行くらいは別の作品に移植できるかもしれぬぞ」
うははははは、と改稿ザムライは高笑いする。渡瀬どんはしゃべっていて馬鹿々々しくなってきた。だが、この男との対話で自分のするべき道筋が見えてくることを、経験上わかっている。
「もう一つの……えーと警察小説大賞を落選した平安時代のミステリーはタイトルを『検非違使別件』といいまして、こちらもダイレクトにAmazonセルフ出版するか、改稿のちに秋にある公募に出すかで迷っております」
「なに？ 小説投稿サイト・エブリスタへ、という選択肢はないのか？」
「……むしろ最初は改稿して投稿してしまうつもりだったのです。でも、待てよ……ふと思いました。……まず歴史時代小説ジャンルはどのネット小説投稿サイトもファンタジー色が強くないと冷遇されている印象です。なにより、食指の動くコンテストも最近のエブリスタにはありませんし……エッセイを投稿していてなんですが……」
「なにやら脱力しておるのぉ」
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