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続いて読んだのは芥川賞受賞作の「壁」
カフカ風のファンタジーといいましょうか? 「です」「ます」調の優しい文体。
第1部「S・カルマ氏の犯罪」は名前を失った男の悲しき冒険譚。
第2部の「バベルの塔の狸」は影を狸に奪われ、バベルの塔へ飛来する詩人の物語。
第3部の「赤い繭」もありましたが……1部2部に比べてインパクトが弱い印象です。
実は第2部の「バベルの塔の狸」の中盤にある「微笑についての分析」が長々としていて、読んでいてぐったりとしたものです。
代表作の「砂の女」を読もうか? と思案していたとき、ちょうどNHKで映画「砂の女」(1964年・東宝 岸田今日子主演)が放送されて視聴し、
「映画を観たから原作は読まなくてイイヤ!」
と断念。
以来、安倍公房作品を手に取ることはありませんでした。
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