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実は安倍公房が「榎本武揚」を書いていると知って、
「戊辰戦争後に幕臣でありながら明治新政府で重用された人物を、この作家がどう描くのか?」
興味がありました。
驚いたことに演劇用の台本として書かれたのですね。まさか、戊辰戦争の戦犯として獄中にある榎本武揚を取り上げるとは予想外でした。
新潮文庫の「友達・棒になった男」にこの「榎本武揚」が入っています。
以下、長編についても少々。
興味深いのは「燃え尽きた地図」
名作、傑作と名高い作品で、いつの間にかある男の行方を追っている探偵自身が「追っている男」に入れ替わっていく物語。
こういう「追う者が追われる者に入れ替わる」小説はポール・オースターの「鍵のかかった部屋」を連想させました。もちろん、オースターより安倍公房の方が古い作家ですが……。
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